転調と移調の違い

転調とは?移調とは?転調と移調の違いを具体例で理解する

転調と移調の違いのイメージ画像

転調とは、曲の途中で調を変化させること。

移調とは、曲全体の調を別の調へ移すこと。

一見して違いが分かりづらい「転調」と「移調」…その違いの本質は、調が曲の途中で変化するのか、曲全体の調が変化するのか、という点にあります。

「転調」と「移調」という言葉は、一見すると違いがわかりづらい言葉です。

そんな転調と移調の違いは、調が曲の途中で変化するのか、最初から移っているのか、という点です。

このページでは、一度わかってしまえばむずかしくない転調と移調の違いを、簡単な具体例を交えてできるだけわかりやすく解説します。

転調と移調の違い

転調と移調の一番の違いは、調を変化させる範囲にあります。

以下に、海外のサイトの転調と移調の違いに関する説明を2つ引用します。

移調とは、単純に楽曲や楽章を別の調へと変化させることである。
転調とは、楽曲の途中で調を変化させることであり、多くの場合元々の調へと戻っていく。転調は、1つの楽曲の中で何度も行われ得るものである。

――Living Pianos "What is the Difference Between Modulation and Transposition in Music?"より翻訳・引用。

私の理論は漠然としたものであるため、完全に正確ではないかもしれないが、移調とは、曲全体を新たな調(もしくは音の高さ)へと変化させることであり、一方で、転調とは、曲の中で調を変化させることである。

――FutureProduers.com "Transposing VS Modulatiuon?"より翻訳・引用。

つまり、「移調」とは、楽曲全体(時には楽章など)の調をまとめて変化させることであるのに対して、「転調」とは、楽曲の途中である調から別の調へと変化させることを指しているのです。

つまり、楽曲ごと調を移すか、楽曲の途中で調を転じるかというのが、転調と移調の大きな違いであるということです。

転調と移調の違いを譜面の例で理解する

転調と移調の違いを確認したところで、次は具体的な楽曲の例を見ながら、転調と移調の理解を深めていきましょう。

今回は、誰もがよく知っている「きらきら星」の楽曲で移調と転調を考えてみます。

転調の具体例

まず、きらきら星の元々の曲の音の高さを確認しておきましょう。

きらきら星は、「ド・ド・ソ・ソ・ラ・ラ・ソー・ファ・ファ・ミ・ミ・レ・レ・ドー」の順に進んでいきます。

譜面で表すと、以下のようになります。

転調前のきらきら星

きらきら星は、元々「ド」を主音とする長音階を表す、「ハ長調」の楽曲です。

次は、この曲を、「ソ」の音を主音とする「ト長調」に転調してみましょう。次の画像の2段目が転調部分です。

きらきら星の転調

この曲は、1段目の2小節は、「ド・ド・ソ・ソ・ラ・ラ・ソー」というメロディです。

先ほどの例と同じ、「ド」を主音とする「ハ長調」で始まっています。

続く2段目は、「ソ・ソ・レ・レ・ミ・ミ・レ―」というメロディで、全ての音の高さが均等に高くなっています。

この時、この曲は「ハ長調」から、「ソ」を主音とする「ト長調」へと転調しているのです。

このように、曲の途中で調が変わるような変化を、「転調」と呼びます。

転調は基本的に、転調する前の調と相性の良い調(=近親調)へ転調するのが一般的です。

移調の具体例

続いては、移調の例を見ていきましょう。

まず、以下に示すのは、移調する前のきらきら星です

移調前のきらきら星

では、この曲を移調してみましょう。移調は、転調と違い、曲全体を元の調から別の調へ移し替えます。

今回は、「ハ長調」から、「ト」を主音とする「ト長調」へと移調します。

移調後のきらきら星

もともとの曲は、「ド・ド・ソ・ソ・ラ・ラ・ソー・ファ・ファ・ミ・ミ・レ・レ・ドー(略」トいうハ長調の曲でした。

ところが、移調した2つ目の曲は、「ソ・ソ・レ・レ・ミ・ミ・レー・ド・ド・シ・シ・ラ・ラ・ソ―(略」と、ソを主音とする曲へと、曲の途中からではなく、始めから最後まで調が移っています。

このように、最初から最後まで曲全体の調を移すことを、移調と言うのです。

転調は曲の途中で調が変化するのに対して、移調は曲全体の調が移っているのが大きな違いです。

「移調」と「転調」はカラオケの場合で考えるとよくわかる

ここまでを最後にもう一度おさらいしておきましょう。

転調と移調の違い
  • 転調とは、曲の途中で調を変化させることである
  • 移調とは、曲全体の調を別の調へ移すことである

転調と移調の違いは、カラオケの場合を考えるとよくわかります。

たとえば、ポップスの曲を思い浮かべてみてください。

よく、1番のサビ、2番のサビの後に、最後の大サビとも呼ぶべきクライマックスのところで、キーが上がる(=調が変化する)ことが良くあります。

そのように、曲の途中で曲の音の高さが変化するのが転調です。

一方で、曲のキーが合わず、最初から最後まで音を上げて(もしくは下げて)歌うこともあると思います。

そのように、曲の音の高さを最初から一貫して変化させるのが、移調です。

転調と移調の違いは、理屈さえわかってしまえばむずかしくありません。ぜひ正しく使い分けられるようにしてください♪

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