音階とは

音階とは?音楽用語「音階」の意味・具体例・種類について

音階のイメージ画像

【音階】
音階とは、12種類の高さの音を、あるルールに沿って抜き出して並べたもののこと。スケール(scale)とも呼ばれる。

多くの場合、ある楽曲について見たときに、その楽曲の中心となる音だけを1オクターブ分抜き出して低い音から高い音へと順番に並べたもの(=長音階・短音階)のことを指す。

音階を並べることで、楽曲の中心となる音を整理し把握することができる。

「音階:ある音を起点に、1オクターブ上の同音に達するまでの、特定の秩序に従って配列された音列のこと」―楽典の本などで見かける音階の説明の例ですが、むずかしくて初学者の方には理解しづらいものです。

そこでこのページでは、音階とはどのようなものであるのか、できるだけかみ砕いてわかりやすく解説します!

音階とは?音階の意味をわかりやすく

音階とは、西洋音楽の12種類の高さの音を、特定の規則にしたがって並べたもののことです。

まず前提として、西洋音楽では、1オクターブの範囲内で「ド・ド♯(レ♭)・レ・レ♯(ミ♭)・ミ ファ・ファ(ソ♭)・ソ・ソ(ラ♭)・ラ・ラ(シ♭)・シ」の等間隔に(聴こえるように)並んだ12種類の高さの音が用いられます。

12種類の高さの音の画像

音階は、これらの12種類の音の中から、何らかのルールに基づいていくつかの音を抜き出し、並べたものです。

たとえば、12種類の音を「半音ずつ順番に」並べてみましょう。

半音階の画像

このようなルールによる音の並べ方は、「半音階」と呼ばれます。

また、今度は12種類の高さの音について、(ドの音から)「全音・全音・半音・全音・全音・全音・半音ずつ」進んだ音を音を順番に並べてみましょう。

音階の画像

このようなルールによる音の並べ方は、「長音階」と呼ばれます。

そして、以上の例のように特定のルールにしたがって音を並べたものを、音階と呼ぶのです。

音階は楽曲の中心となる音を並べたもの

音階は、目的に応じて様々な種類のものがあります。

そして、ほとんどの場合、音階とは、12種類の高さの音のうち楽曲のベースとなる音を抜き出して低い音から高い音へと順番に並べたもののことを指します。

音の高さには12種類ありますが、楽曲の中で12種類の全ての音を同じように使用するわけではありません。

楽曲ごとに、よく使用される音が異なるのです。

その理由は、12種類の音がそれぞれ同じように調和するわけではないからです。

たとえば、ドとミと、ドとラ♯では、調和の度合いが異なります。

そのため、音楽では、主役となる音(=主音)を定め、それらと調和する音を中心にメロディや和音を構成し、楽曲を作り上げていきます。

たとえば、音楽学習者がよく出会う「ハ長調」では、上記の12の音のうち、「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」の7つの音を中心に楽曲がつくられます。

そして、これらの7つの音を並べたものは、「ハ長調の音階」と呼ばれます。

ハ長調の音階は、ドの音を起点(=主音)とし、「全音・全音・半音・全音・全音・全音・半音」ずつ進んだ音を並べたものです。

もしこの主音をドからソに移した場合、音階は「ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ♯・ソ」という並びに変化します。

音階の意義|なぜスケールを学ぶのか?

では、なぜ楽曲によって中心となる音の組合せが変化するのでしょうか?

その理由は、中心となる音の組み合わせによって、音楽の雰囲気(=調性)が変化するからです。

つまり、中心となる音を何にするかが、音楽全体の雰囲気に大きな影響を与えるのです。

そして、音階は、中心となる音を整理して把握するうえで、重要な意味を持ちます。

たとえば、先ほどのように主音から「全音・全音・半音・全音・全音・全音・半音」ずつ並べた長音階では、4番目と5番目の音が特に主音とよく調和する音です。

また、7番目の音は「導音」と呼ばれ、主音に向かっていきやすい性質を持ちます。

このように、楽曲によってそれぞれの音の役割が変化します。

そして、音階の位置(何番目か)とその音の役割は対応しています。

つまり、音階は、音を主音から順番に並べることによって、それぞれの音の楽曲の中での役割をわかりやすくする働きを担っているのです。

ハ長調やト長調、へ長調などそれぞれの音階を学んでおけば、ある楽曲を演奏するときに、その楽曲のそれぞれの音の関係性を把握することができます。

ここに、スケール(=音階)を学ぶ意義があります。

たとえば、音大のピアノ科ではすべての調のスケールの中から無作為に選ばれたスケールを演奏する、「スケール試験」があるのが一般的です。

全ての音階を何度も弾くことで、指や耳などから感覚としてスケールが身についていきます。

そして、スケールの感覚が身についていれば、練習している楽曲のそれぞれの音が楽曲の中でどのような役割を担っているのかを感じながら演奏することができるようになるのです。

具体例で確認する音階

では、音階とはどのようなものか、実際の楽曲に使われている音階の具体例を確認していきましょう。

以下は、リヒナー作曲の「短い物語」という楽曲です。

この曲は、「ハ長調」の音階を持っています。ハ長調の音階は、「ドレミファソラシド」の音で構成されます。

ハ長調の音階

つまり、この「短い物語」という楽曲は、「ドレミファソラシド」の音を中心につくられているのです。

続いての例は、ペツォールト作曲の「メヌエット ト長調」です。

この曲は、「ト長調」の音階を持っています。ト長調の音階は、「ソラシドレミファ♯ソ」の音で構成されます。

ト長調の音階

つまり、「メヌエット ト長調」は、「ソラシドレミファ♯ソ」の音を中心につくられている、ということです。

ハ長調とト長調は関係が近いので似たような音が並んでいますが、ハ長調は「ファ」の音を含むのに対して、ト長調は「ファ」ではなく「ファ♯」の音を含んでいます。

以上の2つの例のように、楽曲によってよく使われる音はそれぞれ異なります。

そして、音階とは、それぞれの楽曲の中心となる音を取り出して並べたものである、ということがお分かりいただけたと思います。

音階の種類は?

続いて、音階にはどのような種類があるのでしょうか?

音階の種類をいくつかご紹介します。

半音階

半音階とは、12種類の高さの音を半音ずつ上行(もしくは下行)したものを並べた音階です。

全てのとなり合う音同士の距離は半音になります。

以下の画像のような配置になります。(※旋律的半音階)

半音階の画像

全音音階

全音音階とは、となり合う音同士の距離がすべて全音である音階のことです。

たとえば、以下の画像のような配置になります。

全音音階の画像

ヨナ抜き音階

続いては、「ヨナ抜き音階」です。

ヨナ抜き音階とは、日本の伝統的な音楽にしばしば見られる音階です。画像のような並びになります。

ヨナ抜き音階

画像のように、「ドレミソラ」の5つの音から成る音階であることがわかります。

ちなみに「ヨナ抜き」とは、昔の日本の音の読み方で「ヨ」(=ファ)と「ナ」(=シ)を抜いた、という意味を表します。

全音階

「全音階」(英語:diatonic scale)とは、西洋音楽の音階の中でも特に重要な音階です。

全音階とは、1オクターブの中に、5つの全音と2つの半音を含む7つの音を並べたもののことを指します。

以下の鍵盤図中の青い〇のついた音は、西洋音楽で最もよく見られる「ハ長調」の音階です。

全音階の画像

このハ長調の音階は、全音(青い◡)を5つと半音(赤い◡)を2つ含んでいるため、全音階です。

図より、全音が5つ分と半音が2つ分の合計7つの音を並べたものであることがわかります。
※「ド」は2つありますが、同じ音であるため1音として数えています。

このような、「全音5つ+半音2つ」というルールで並べられた音を全音階と言いますが、全音階には大きく分けて2つの種類があります。

その2つの全音階とは、「長音階」と「短音階」と呼ばれるものです。

「長音階」と「短音階」は、いわゆる楽曲の「調」を決定するものであり、特に重要な音階です。

というわけで、次のページ以降で長音階と短音階について、詳しく見ていきましょう!

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