長音階と短音階の最も大きな違いは、主音(=1番目の音)と中音(=3番目の音)までの音程であり、長音階は長3度・短音階は短3度である。
3度の音程が異なることにより、一般的に、長音階は明るい雰囲気に、短音階は悲しい雰囲気になる。
このページでは、特に長音階と短音階の並び方の違いについて、できるだけ詳しく&わかりやすく解説していきます。
また、長音階と短音階と違いをふまえた上で、長音階と短音階の覚え方についても、理屈を交えて詳しく説明していきます。
長音階と短音階の違いは?
長音階と短音階の本質的な違いは何なのでしょうか?それは、音階の主音(=1番目の音)から中音(=3番目の音)までの距離にあります。
①主音から中音までの音程が、長音階は長3度であるのに対して、短音階は短3度である。
また、3度の音程が異なることで、楽曲の雰囲気も変わります。一般的に、
②長調は明るい雰囲気であるのに対して、短調は悲しい雰囲気である。
これらの違いについて理解を深めていきましょう!
音程:長音階は長3度・短音階は短3度
長音階と短音階の最も大きな特徴は、主音から中音までの音程が、長音階は長3度であるのに対して、短音階は短3度であることです。
この点を理解するために、長音階と短音階の主音からの音の間隔を見ておきましょう。
●長音階
「全音・全音・半音・全音・全音・全音・半音」
●自然短音階
「全音・半音・全音・全音・半音・全音・全音」
●和声短音階
「全音・半音・全音・全音・半音・全音+半音・半音」
●旋律短音階
「全音・半音・全音・全音・全音・全音・半音」
短音階は、「短音階の意味と種類」のページで説明したように、「自然短音階」「和声短音階」「旋律短音階」の3つの種類があります。
それぞれ後半の音の間隔は異なりますが、前半の「全音・半音・全音」という間隔は3つの短音階に共通しています。
つまり、短音階に共通するのは、前半の「全音・半音・全音」という間隔なのです。
一方で、長音階の特徴は、前半が「全音・全音・半音」という間隔になっていることです。
旋律短音階と長音階に至っては、後半の「全音・全音・全音・半音」という間隔は一緒です。
これは、長音階の主音から中音(=3番目の音)までの距離が長3度であり、短音階の主音から中音までの距離が短3度であることを意味します。
したがって、長音階と短音階の違いを決定づけるものは主音(=1番目の音)から中音(=3番目の音)までの距離であり、主音から中音までの距離が長3度のものを「長音階」、主音から中音までの距離が短3度のものを「短音階」と呼ぶのです。
雰囲気:長音階は「明るい」・短音階は「悲しい」
長音階と短音階の本質的な違いは、主音から中音までの音程です。
そして、主音から中音までの音程が異なることによてって、長音階と短音階は雰囲気も異なります。
一般的に、長音階はの楽曲は明るい雰囲気になる一方で、短音階の楽曲は悲しげな雰囲気になります。
では、短音階と長音階の雰囲気の違いについて、実際の楽曲で確認してみましょう。
まずは、有名なペツォルト作曲の「メヌエット ト長調」です。「ト」は主音がソであることを、長調の「長」は長音階であることを表しています。
続いては、同じくペツォルト作曲の「メヌエット ト短調」です。「ト」は主音がソであることを、短調の「短」は短音階であることを表しています。
いかがでしたでしょうか?同じ「ソ」を主音とする楽曲でも、長音階と短音階ではずいぶん雰囲気が違うことがお分かりいただけたと思います。
長音階の覚え方と短音階の覚え方
長音階と短音階の違いについて確認したところで、それぞれの覚え方を見ていきましょう。
まず、前半ですが、長音階と短音階の違いは「長3度」か「短3度」かという点にあるんでしたね。
長3度と短3度を分かつのは、2番目の音と3番目の音の距離です。
長音階は第2音と第3音との距離が「全音」であるのに対して、短音階は第2音と第3音との距離が「半音」です。
音の高さの種類は「ド・ド♯(レ♭)・レ・レ♯(ミ♭)・ミ ファ・ファ(ソ♭)・ソ・ソ(ラ♭)・ラ・ラ(シ♭)・シ」12種類がありますが、それぞれのとなり合う音同士の距離が半音で、半音2つ分(=1つ飛ばしの音)の距離が全音です。
なお、長音階と短音階の前半の並びは、以下のようになります。
長音階:全音・全音・半音・・・/2・2・1・・・
短音階:全音・半音・全音・・・/2・1・2・・・
また、後半ですが、長音階は一定で「・・・全音・全音・全音・半音」もしくは「・・・2・2・2・1」です。
つまり、長音階は全体で「全音・全音・半音・全音・全音・全音・半音」という並びになります。
数字で表すと、「2・2・1・2・2・2・1」ずつ進んだものを並べたものになります。
一方で、短音階の後半は3種類あります。
自然短音階:・・・全音・半音・全音・全音
/ 2・1・2・2
和声短音階:・・・全音・半音・全音+半音・半音
/ 2・1・3・1
自然短音階:・・・全音・全音・全音・半音
/ 2・2・2・1
自然短音階は、短音階の基本の形です。主音から「全音・半音・全音・全音・半音・全音・全音」ずつ進んだものを並べたものです。
「2・1・2・2・1・2・2」と覚えてもいいでしょう。
自然短音階の特徴は、2番目と3番目の音の距離と、5番目と6番目の音の距離がそれぞれ半音であることです。
一方で、7番目の音から1オクターブ上の主音までの距離が全音になっています。
ところで、主音から半音分低い高さの音のことを、「導音」と言います。
そして、導音は、主音に向かっていきやすい性質を持っています。
そのため、旋律がド→レ→ミ~のように高い音に向かっている(=上行している)時には、7番目の音は導音が用いられやすい傾向にあります。
そして、7番目の音を導音にすすために、自然短音階の7番目の音を半音高くしたものが「和声短音階」です。
ところが、旋律短音階は、5番目と6番目の音が大きく離れているため(全音+半音)、ある種独特な雰囲気を持っています。
そのため、メロディをより自然なものにするべく6番目の音も半音上げたものを、「旋律短音階」と呼びます。
旋律短音階の後半は、長音階と同じ形になっていることが特徴です。
そのため、短音階の形の覚え方として、前半は短3度になっていることをおさえた上で旋律短音階の後半が長音階と同じ形であると覚えても良いでしょう。
その場合、和声短音階は旋律短音階の6番目の音を半音下げたもの、自然短音階は和声短音階の7番目の音(=導音)を半音下げたもの、と理解できます。
また、自然短音階の形である「全音・半音・全音・全音・半音・全音・全音」の並びを先に覚えておく方法も有効です。
その場合、7番目の音を半音上げて導音にしたものが和声短音階、さらに自然な旋律にするために6番目の音も半音上がたものが旋律短音階、と覚えましょう。
長音階と短音階のそれぞれの並びを丸暗記するのも覚え方とえしてはもちろん有効ではあります。
しかしながら、その裏にある理屈も知っておくことで、長音階や短音階の並びをより効率的に覚えるようにしましょう!
↑チャンネル登録お願いします↑
【ソナチネ第5番 / ベートーヴェン】↑チャンネル登録お願いします↑
【ピアノ歴1年半の初心者がトルコ行進曲に挑戦】↑チャンネル登録お願いします↑