ついにブルグミュラー25の練習曲のシリーズも最終曲です。タイトルは「貴婦人の乗馬」。
この曲は、これまで学んできたことの総まとめとして最適な曲に仕上がっています。
楽曲の形式や弾き方のコツなどを一緒に学んでいきましょう!
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ブルグミュラー「貴婦人の乗馬」の楽曲解説
ブルグミュラー25の練習曲のラストを飾る25曲目は、「貴婦人の乗馬」です!
現在では「乗馬」の訳が主流ですが、かつての全音版では「貴婦人の乗馬」というタイトルでした。
「La」という女性定冠詞を使用しているので、女性の乗馬ということで意訳したんでしょうね。
ただ、「貴婦人」とは限らないということで、「乗馬」というタイトルになったのだとかんがえられますが…個人的には「貴婦人の乗馬」という呼び方がとても好きです!
拍子は4分の4拍子、調はハ長調です。
思えば、この曲集の最初の曲も、4分の4拍子、ハ長調でした。原点回帰ですね。
テンポ表示は"Allegro marziale"と書いてあります。
Allegroは「陽気な、快活な」という意味が転じて「速く」と解される表現です。
"marziale"(マルツィアーレ)」は、「勇壮な」「行進曲風の」という意味です。ギリシャ神話の軍神マルスから来た言葉で、「戦士の」「兵士の」といった意味もあります。
楽曲のイメージをつかむために、以下の動画もご参照ください。
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タイトルの日本語訳について
この曲の原題は、"La chevalersque"です。
現在では「乗馬」の訳が主流ですが、かつての全音版では「貴婦人の乗馬」というタイトルでした。
「La」という女性定冠詞を使用しているので、女性の乗馬ということで意訳したんでしょうね。
ただ、「貴婦人」とは限らないということで、「乗馬」というタイトルになったのだとかんがえられますが…個人的には「貴婦人の乗馬」という呼び方がとても好きです!
楽曲の形式は「マーチ形式」
「貴婦人の乗馬」は、「マーチ形式」と呼ばれる楽曲形式です。構成は以下のとおりです。
1~8小節目:A(a+a')
9~16小節目:A'(b+a')
17~24小節目:C(c+c')
25~32小節目:A(a+a')
33~39小節目:D(d+d')
40~46小節目:Coda
[A+A']+C+[A+D]+Codaで、複合三部形式になります(DからCodaが始まっているという解釈も成り立つかもしれません)。
マーチ(行進曲)は、第一主題、第二主題の後、中間部、そしてD.C.(ダ・カーポ)により第一主題と第二主題が再現されるという複合三部形式が基本です。
特に、中間部はTrioと呼ばれ、楽器の数を減らし、さらに下属調(5度下の調)に転調することで変化をつけるという習慣がありました。
ブルグミュラーの曲でも、個の特徴は踏襲されていますね。
弾き方のコツ・演奏の注意点は?
《a及びa'》に現れる和音のスタッカート。偶数小節に現れるリズムが「パッカパッカ」という馬の足並み、ギャロップを思わせます。
常にギャロップのリズムを感じて演奏するのが「貴婦人の乗馬」の演奏のポイントです。
また、小節の終わりの四分音符や八分音符を弾き分けることも大切です。
《b》に入ると、突如、f(フォルテ)のユニゾンが挿入されます。
バラけやすいので、両手の音がそろっているか、よく聴きましょう。
その後、すぐにpで和音のスタッカート(aのモチーフ)が戻ってきます。この部分は、その前のフォルテのユニゾンとの対比がポイントです。
続く《C》の部分がTrioに当たります。セオリーどおり、下属調のヘ長調に転調します。
左手は、和音を全音符で延ばしつつ、1の指で四分音符を打ちます。
ロングトーンが途中で切れてしまわないように気をつけましょう。
そして、1の指で打つ音がうるさくなってはいけません。
その上を右手の三連符がなめらかに流れていくように。左右のバランスが大事です。
そして、《d及びd'》の部分では、左から右へ、和音を受け渡しながら転回していきます。
この部分は、スタッカートやリズムに惑わされて、準備できないうちに進んでしまい、間に合わずにバラけてしまう…ということになりがちです。
まずは左右同時に、四分音符で和音のまとまりとして弾き、動きをつかみましょう。
最後の《Coda》は、華やかなフィナーレ。右から左へ、たたみかけるような音階の連続です。
ここで崩れてしまっては台無し。特に左手が遅れやすいので、メトロノームを使って、付点などリズム変奏の練習を取り入れましょう。
どの指も均等に、しっかり動くようにしてください。
「貴婦人の乗馬」は総まとめとしてふさわしい曲
「貴婦人の乗馬」は、 スタッカートあり・レガートあり・和音あり・ユニゾンあり・音階あり、とこれまで学んできたさまざまな要素が盛り込まれています。
まさにブルグミュラー25の曲集の最後を飾るのにふさわしい曲ですね!
オーケストラで演奏するとしたらどの楽器を使っているだろうか…といったことをイメージしながら演奏してみてはいかがでしょうか。
中間部は弦楽器をバックに、木管楽器が前面に出てくる感じ。それはフルート?オーボエ?…など、それぞれ楽器の音をイメージすると、多彩な表現が生まれてくると思いますよ。
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