左手を小さく弾くポイント

ピアノで左手を小さく弾くための3つのポイント|左手の役割を知ろう

今回のテーマ

ピアノ演奏でどうしたら左手を小さく弾けるか?左手の役割は?

「ピアノを弾くときに、左手の音量を小さくしたい!」

このページにたどり着いたあなたは、そんな悩みをお持ちだと思います。

ただ、「左手を小さくしよう」と思っても、実際にやってみると簡単には強弱をつけることができません。

左手の音量を小さくするためには、「左手を小さく弾こう」と漠然と意識するだけでは十分ではありません。ある発想の転換が必要なのです。

今回は、左手を小さく演奏する理由や、左手の役割、左手を小さく演奏するために意識すべきポイントを、できるだけわかりやすく解説していきます。

ピアノで左手を小さく弾く理由は?左手の役割

そもそも、なぜピアノの演奏において、左手を小さく弾く必要があるのでしょうか。その理由は、左手と右手の役割の違いにあります。

右手と左手の違いを理解するために、「主旋律」と「副旋律」という言葉・考え方を確認しておきましょう。

ピアノの左手と右手の役割の違い|主旋律と副旋律

ピアノ演奏において、多くの場合右手と左手は役割が異なります。

というのも、多くの楽曲には旋律(メロディ)が複数あり、それらはほとんどの場合、「主旋律」と「副旋律」に分かれているからです。

主旋律とは、複数ある旋律のうち、楽曲のメインとなるメロディのことです。

一方で、副旋律とは、複数ある旋律のうち、主旋律を引き立たせるためにある音のことです。伴奏と言い換えてもいいでしょう。

歌を例に考えるとわかりやすいです。

歌曲においては、ヴォーカルがメインのメロディを歌い、ピアノやバンドなどがヴォーカルを引き立てるための演奏を行います。

この時、曲の根幹となるヴォーカルのメロディが主旋律で、ピアノやバンドなどの伴奏が副旋律の役割を果たしているのです。

そして、ほとんどのピアノ楽曲もまた同様に、主旋律と副旋律にわかれています。

ピアノは右手と左手の両手を使って演奏しますが、片方の手が主旋律、もう片方の手が副旋律のように、それぞれの手が別々の役割を担っているのです。

ピアノ演奏の左手は副旋律

ピアノ楽曲は、多くの場合、主旋律と副旋律にわかれています。

一般的には、高い音が主旋律、低い音が副旋律の役割を担います。

そして、ピアノの右側には高音が、左側には低音が配置されています。

そのため、右手が主旋律、左手が副旋律の役割を担うことが圧倒的に多いのです。

左手は副旋律で小さく

そして、楽曲において主役となるのは、主旋律です。

それに対して、副旋律は、主役の魅力をより引き出すためのサポート役です。

副旋律を主旋律と同等の強さで演奏してしまうと、主旋律の魅力が目立ちません。

そこで、副旋律を主旋律より弱く弾くことで、主役である主旋律の音を際立たせることができるのです

左手を小さくするために意識すべき3つのポイント

左手の音量を小さくすべき理由について確認したところで、いよいよ本題である具体的な意識の持ち方に移ります。

ピアノで左手を小さく演奏するために意識するポイントには、以下の3つがあります。

①左手=小さい方の音に意識を向ける

②腕の上げ下げを抑える

③左手も指にしっかり重心を乗せる

これら3つのポイントについて、順番に確認していきましょう。

左手=小さい方の音に意識を向ける

左手の音量を小さくするためにまず意識すべきことは、「小さい方の音(=左手)に意識を向ける」ということです。

右手と左手の音量のバランスを考えた始めた時に、多くの人が左手より右手の音量が大きければいいと考え、主旋律を大きくしてしまいがちです。

しかしながら、右手と左手の音量のバランスをとるためには、右手の音量を大きくするのではなく、左手の音量を小さくするという練習が不可欠です。

その理由は、2つあります。1つは、右手を無理に大きくすると、ガンガンと音が割れてしまいがちだからです。

もう1つは、右手は通常のボリュームで奏でる癖をつけておく必要があるからです。

音を強くしたり大きくしたりするのは、フォルテなどの記号が出てきて初めて行うべきでしょう。

そのため、右手の音量をを大きくするのではなく、あくまで左手の音量を小さくするよう心掛けるようにしてください。

ピアノの演奏を学ぶということは、体の使い方を学ぶということです。

左手の音を小さくするためには、左手の力をセーブしなければなりません。

どうすれば左手の力をセーブできるのか、音を聴きながら繰り返し試行錯誤してみてください。

左手の音量をセーブする時には、「消えそうなくらい小さい音」を目指すくらいがちょうどいいです

左手の音をどれだけセーブできるか、挑戦する気持ちで練習してみましょう。

腕の上げ下げを抑える

ピアノの左手の演奏で2つ目に意識すべきことは、「腕の上げ下げを抑えること」です。

左手の音量が抑えられない人に多く見られがちなのが、手首や腕を大きく上下させてしまう弾き方です。

手首や腕を振り上げてしまうと、どうしてもピアノに重さが伝わってしまい、音を抑えることができません。

ピアノ初心者が手首や腕を振り上げてしまう原因は、指の力を正しくピアノに伝えることができないからです。

ピアノ演奏においては、手首や腕の重みではなく、指から指への体重移動と、指の押す力で音をコントロールできるようになるのが理想です。

そのため、「指は鍵盤から離さない」というくらいの意識で練習することをオススメします。

音が割れてしまうのも防ぐことができるので一石二鳥です。

左手も指にしっかり重心を乗せる

左手の音量を小さくするために意識すべきことの3つ目は、「左手の指にしっかり重心を乗せる」ということです。

左手の音量を小さくしようといくら強く意識しようとも、なかなか音量を抑えることができません。

左手の音量を抑えようとすると、多くの人は指ではなく手首などより手前の方に重心を持っていっていまいます。

意外な事実なのですが、指に重心が乗っていないと、音を小さくすることができません。

思い切って指に重心を乗せてみるだけで、驚くほど音量をコントロールできるようになるのです。

実は、私もピアノの先生から受けたアドバイスで最も効果があったのが、この「重心を指に乗せる」という考え方でした。

指に重心が乗ると音が大きくなってしまうという直感に反して音をセーブすることができたので、心底驚いてしまったのを今でも覚えています。

その後、なぜ指に重心を乗せると音を小さくすることができるのかを、体と対話しながらじっくり観察したことがあります。

そしてわかったことは、指ではなく手首の方に重心があると、指は思っている以上に鍵盤を深く強くたたいてしまっているということです。

机の上などで試してみると、手首の方に重心を乗せたまま指を弱く押しつけるということがいかにむずかしいかがわかります。

一方で、重心を指に乗せてしまえば、手首や腕が沈んでいないので、指にかかる体重をセーブすることが容易になります。

さらに、重心を指に乗せると、指先の感覚でその時どのくらいの重さが指にかかっているのかがよくわかります。

指にかかる重さは音の大きさに深く関わっているため、重さに意識を移すことで、音量をコントロールしやすくなるのです。

ピアノで左手の音を小さくするポイントまとめ

ピアノ演奏時に左手の音量を小さくするための心構えは、以上です。

このページのまとめを以下に記載しておきますので、ポイントをご確認ください♪

このページのまとめ

ピアノで左手の音量を小さくするために意識すべきことは、

  • 小さい方のメロディを意識する
  • 腕や手首の上下を抑える
  • 重心をしっかり指に乗せる

もちろん、意識だけではいきなり左手を小さくきれいに弾くことはむずかしいかもしれません。

しかしながら、ここでご紹介した3点を意識しながらしっかりと反復練習することで、左手の音量が次第にコントロールできるようになります。

ぜひ、ポイントをしっかりと記憶した上で、実際の演奏で試しながら左手の奏法を自分のものにしていってください!

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