帰途(再会)

ブルグミュラー「帰途」(再会・帰り道)の解説!解釈や弾き方のコツ

ブルグミュラー「帰途」楽曲解説のイメージ画像

今回の楽曲解説は、ブルグミュラー25の練習曲より、「帰途」(再会)についてです。

解釈のヒントや弾き方のコツなどを一緒に学んでいきましょう!

ブルグミュラー「帰途」(再会・帰り道)の概要を解説

ブルグミュラー25の練習曲の23曲目は、「帰途」です。「再会」や「帰り道」と訳される場合もあります。

拍子は8分の6拍子、調は変ホ長調です。

指示には「Molto agitato quasi Presto」と書かれています。

Molto(モルト):きわめて
agitato(アジタート):興奮して、急き込んで
quasi(クアジ):ほとんど~のように
Presto(プレスト):急速に

速さを表すいくつかの楽語の中でも、「Presto」はもっとも速いテンポを表します。

後述するようにベートーヴェンの告別ソナタ第三楽章を模しているとすれば…相当なテンポを求められていますね。初版はメトロノーム128となっています。

以下の参考動画で楽曲のイメージをつかんでみてください。

解釈のヒント:タイトルについて

「帰途」の原題は、"Le retour"です。

かつての全音では「帰途」というタイトルでしたが、現在は「再会」となっています。

「再来」「回帰」といった意味もありますが、辞書の冒頭に掲載されている意味は「帰ること」「帰還」なので、旧版の「帰途」というタイトルでよいと思います。

この曲は、ベートーヴェンの告別ソナタ(作品81a)第三楽章を模している…と言われています。考えてみると、たしかに調性も拍子も一緒です。

告別ソナタはそれぞれの楽章にベートーヴェン自身がドイツ語でタイトルを付けており、第三楽章には「Das Wiedersehen(再会)」と書かれています。

ところが、出版したブライトコプフ・ウント・ヘルテル社は表題をフランス語に置き換え(第三楽章も「Le retour」と表記)、ベートーヴェンは抗議の手紙を送ったとか。

告別ソナタ第三楽章のフランス語タイトルとこのブルグミュラーの曲が同じだから、日本語タイトルも同じになるよう、「再会」としたのかもしれません。

しかしながら、「Das Wiedersehen」は「再会」ですが、「Le retour」は「帰途」だと思いますね、やっぱり。

「帰途」の弾き方のコツ・練習方法は?

イントロ(1~8小節目)は、左手の同音連打で始まります。

左手:同音連打のスタッカートと右手:和音のレガートというパターンは、17曲目「おしゃべりさん」の中間部(15~18小節目)にありましたね。

その後は、和音の連打になります。曲の最後まで和音の連打が続きますから、バラつくことなく、いかにバランスを保って弾くか、ということがポイントになります。

どこかが力んでしまうとバラつきの原因になってしまいますから、ほどよく脱力して、手首を柔らかく使いましょう。

低い位置で細かいドリブルをしているようなイメージを持つと効果的です。

Aメロ(9~16小節目/25~32小節目)は、右手の一番上の音がメロディになりますので、ちょっと重心をかけて、音が浮き出すように聴かせましょう。

時折出てくるレガートはしっかりつないで、切れないように注意です。

Bメロ(17~24小節目)は左手が主役です。レガートでぐいぐい引っ張っていってください。

書かれているスラーのアーティキュレーションも活かしてくださいね。

この箇所は臨時記号が多いのですが、それは次々と転調していくからです。

17~18小節目はハ短調、19~20小節目はト短調、21~24小節目にかけてはニ短調になります。

それぞれの調性を理解していれば、音のミスも少なくなりますよ。

ちなみに、24小節目の4拍目で変ホ長調の属七の和音になり、変ホ長調に戻ります。ここで出てくる楽語、「cresc. assai(クレッシェンド・アッサイ)は、「だんだん強く、充分に」という意味です。

Coda(33~38小節目)は、右手の一番上のロングトーンをよく聴いて、その下で連打する和音がかき消すことのないように。

うまくバランスを取って、ロングトーンの響きの中に溶け込ませてくださいね。

常にスタッカートが現れるこの曲は基本的にペダルを使わずに弾くことになります。

しかしながら、6度の和音を連続してレガートで弾かなければいけない箇所では、補助的にペダルを使うことも考えてよいでしょう。

例えば、6~8小節目などです。ただし、前後と比べてあまり違和感が出ないように、ハーフペダル(ダンパーペダルを全部踏み込まず、軽く半分くらい踏む)にするなど、上手に加減して使ってください。

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