【リラックス・パフォーマンスの意味】
リラックス・パフォーマンスとは、自閉症や学習障害などを持った「劇場などでの芸術鑑賞に不安がある人たち」でも安心して鑑賞できるように配慮された公演の形態のこと。
照明や音響などの刺激を弱めたり、トレーニングを受けたスタッフが誘導したり、通常の芸術公演と比較して幅広い層に楽しんでもらうための配慮がなされます。
このページでは、リラックス・パフォーマンスの意味や必要とされる背景、具体的になされる配慮などについて解説します。
リラックス・パフォーマンスとは?自閉症や発達障害の方も楽しめる芸術公演
リラックス・パフォーマンスとは、自閉症の人や学習障害を持つ人など、外部からの刺激に対して繊細な人たちでも参加しやすい環境を整えた芸術公演のことです。
普通の芸術公演より少し落ち着いた(刺激の小さい)環境があり、また、音を立てたり上演中の出入り可能であったりなどの緩和されたルールやマナーが共有されています。
そのため、外部からの刺激に対して不安を抱える人やその家族でも、安心して芸術を楽しむことができるのです。
リラックス・パフォーマンスの意義
芸術鑑賞にはしばしば堅苦しいイメージがつきまといます。
携帯電話の電源を切り、音を立てずに静かに鑑賞すること。後ろの人の鑑賞を妨げないよう、前のめりにならないこと。伝統的な芸術鑑賞においては、観客のマナーが求められます。
ところが、全員が静かに聞くのが当たり前の空間では、一部の人たちは観劇を楽しむことができません。
自閉症や学習障害などを抱える人々は、外部からの刺激に対して非常に敏感です。
たとえば、強い光や大きい音などを刺激として受け取ると、目の前の観劇に集中することができません。ひどく動揺してしまったり、おびえて声を出してしまったりすることもあります。
観劇を楽しめないのは、刺激に対して敏感な人たちだけではありません。
彼らの家族もまた、自分の家族が周りに迷惑をかけてしまうことを恐れて、公演に参加することを控えてしまいます。
刺激に対して態勢のある人たちが当たり前のように楽しむことができるものを、楽しむことができないのです。
ところが、リラックス・パフォーマンスの刺激の弱い環境と緩和されたルールやマナーがあれば、繊細な人たちとその家族でも、他の人たちと同様に芸術を楽しむことができるようになります。
つまり、リラックス・パフォーマンスの背景には、身体的な制約などから芸術鑑賞を控えている人たちでも芸術を楽しめるようにしようという考えがあるのです。
リラックス・パフォーマンスの考え方の射程は、障がいを持つ方だけでなく、小さい子どもなどにも広がってきています。
具体的な取り組みの内容
最後に、リラックス・パフォーマンスにおいては、具体的にどのような取り組みがなされているのかを確認していきましょう。
具体的な取り組みは、大きく分けて ①音響や照明などの刺激に対する配慮、②スタッフへのトレーニング、③リラックス・パフォーマンスの考え方の共有 の3つがあります。
音響や照明などの刺激に対する配慮
リラックス・パフォーマンスでは、音響や照明などの外部からの刺激を緩和するための取り組みがなされます。
たとえば、観客席の照明は完全にオフにせず暗くなりすぎないようにしたり、音響や照明の急激な変化を避けたりします。
このような刺激を低減する配慮があることにより、繊細な人々でも不安になったり動揺したりする可能性が低くなるのです。
スタッフへのトレーニング
自閉症や学習障害を抱える人たちの中には、対人コミュニケーションがスムーズに行えない人たちも一定数存在します。
リラックス・パフォーマンスを実施している団体の中には、スタッフへのトレーニングの一環として、繊細な人々がどのような特徴を持ち、どのような反応を示すのかといったことを教えたりしています。
このようなトレーニングを受けたスタッフによって、理解力に難がある人でも理解できるような指示を受けることができます。
考え方の共有
公演がリラックス・パフォーマンスの考え方で実施されていることを共有することも、同様に重要です。
たとえば、声を出してもよい、公演の途中で出入りしてもよい、静かに携帯電話を使うことが許可されている、席を立って移動することも可能である といった、緩和されたルールやマナーが一般的な観客にも共有されます。
こういったルールやマナーの緩和が共有されることによって、繊細な人たちでも周りを気にしすぎることなく観劇することが可能であり、また、そうでない観客も繊細な人たちに対して寛容になることができるのです。
気軽に鑑賞できるリラックス・パフォーマンスを利用しよう
リラックス・パフォーマンスに関する解説は以上です。以下に内容をまとめていますので、確認用にご利用ください。
- リラックス・パフォーマンスとは、「劇場などでの芸術鑑賞に不安がある人たち」にも配慮された公演形態のこと
- 音響や照明などの刺激が緩和され、また、緩和されたルールやマナーが共有されている
元々はイギリスで生まれたリラックス・パフォーマンスですが、日本でもリラックス・パフォーマンスを取り入れた公演が見られるようになってきています。
たとえば、スターダンサーズ・バレエ団は、「くるみ割り人形」をリラックス・パフォーマンスで実施するなどの取り組みを行っています。
普段、自閉症のご家族やお子さんなどがいるために観劇をあきらめているような方も、この機会にぜひリラックス・パフォーマンスの公演に参加してみてはいかがでしょうか♪
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