このページは、ブルグミュラー作曲「おしゃべりさん」(おしゃべり)についての楽曲解説です。
楽曲の概要を確認した後に、弾き方のコツや練習方法について詳しく学んでいきましょう!
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ブルグミュラー「おしゃべりさん」(おしゃべり)を解説!
「おしゃべりさん」(おしゃべり)は、ブルグミュラー25の練習曲の17番目に掲載されている曲です。
拍子は8分の3拍子、調はヘ長調です。
テンポ表示は「Allegretto」。11曲目の「せきれい」と同じテンポ表示です。
軽快さを出すためにも、1・2・3と数えるのではなく、1小節ひとまとまりでテンポを感じたいですね。
楽曲の形式は、イントロ-A-B-A-Codaの三部形式です。
以下に参考動画を載せておきますので、音でイメージをつかむ際にご参照ください。
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タイトルの意味について
この曲の原題は「La babillarde」です。
かつての全音版のタイトルは「おしゃべり」でしたが、現在は「おしゃべりさん」となっています。
フランス語では定冠詞+形容詞で「~な人」を表すので、おしゃべりそのものでなく、人物ということを明確にするために、「おしゃべりさん」となったのでしょう。
この場合、女性形となっているので、おしゃべりな女性を表しています。
「おしゃべり娘」というタイトルもあるようです。必ずしも「娘」とは限らないのですけどね(笑)。
学習のポイントは?
続いて、「おしゃべりさん」の学習のポイントを確認しておきましょう。
まず、なんといっても、右手と左手両方に現れるすばやい連打がポイントでしょう。
また、連打のモチーフに引っ張られて、その他に出てくる四分音符や付点四分音符が短くなりがちなので、音価を保ちましょう。
この曲は最後の小節のf以外は、一貫してpです(cresc.やdimin.などの変化はありますが)。
だから、ブルグミュラーの意図としては、おしゃべりだけどうるさくはないんでしょうね。
さきほど「おしゃべりしているのは娘とは限らない」と書きましたが、やっぱり女子中学生や女子高生がにぎやかにぺちゃくちゃおしゃべりしながら下校する風景を思い浮かべてしまいますね。
ここしばらく、悲しかったり苦しかったり、緊張感のある曲が続いたので、こんな何気ない日常のひとこまを切り取ったような小曲が登場すると、ほっとしますね。
「おしゃべりさん」の弾き方のコツ・練習方法は?
「おしゃべりさん」の楽曲の概要を確認したところで、続いては弾き方のコツを練習方法を交えて確認していきましょう。
左手の指使いと延ばす音に注意(イントロ:1~6小節目)
1~6小節目はイントロです。
右手が二声になっているのが特徴です。
2小節目、4小節目、6小節目の1拍目までタイで音がつながっているので、休符にならないように、ちゃんと延びているか聴いてくださいね。
そして続く和音の下の音、四分音符に注目。上の音が動く時に一緒に指が離れてしまわないように、音をキープしましょう。
左手はオクターブ跳躍の動きです。
指使いは5-1-2の連続で。最後の音も1の指で弾いてしまいがちですが、そうすると外しやすいし、乱暴な音になってしまいます。
1の指からオクターブ上の音に移動するときには、1の指を内側に折り曲げ、2の指が先に出るようにして移動してください。
また、最後の2の指の音(2小節目・4小節目・6小節目)は四分音符です。スタッカートになってしまわないように、きちんと止めましょう。
全体的に、右手→左手→右手と動きがつながって聴こえるとよいですね。
連打のモチーフ(A:7~14小節目/23~30小節目)
7小節目からは、A-B-AのAの部分が始まります。
八分休符を置いて、十六分音符の連打で始まるモチーフが特徴です。
右手の連打は、9曲目の「狩り」、11曲目の「せきれい」でも出てきましたが、この曲では最もすばやい連打が求められますね。
しかも、3・2・1の連打の後に続く音はレガートでつなげないといけないので、難易度アップ。
スラーが書かれていますが、連打の3・2の指使いの音は実際のところスタッカートになって大丈夫です。
ただし、その後の1・5・4の指使いの音は切れないようにつなげましょう。そして、最後の4の指の音はスタッカートです。
10小節目と14小節目の音型はすべてレガートなので、連打のモチーフと対比させたいですね。
また、左手の和音の入り方も印象的。八分休符が利いています。強(休符)弱/強(休符)弱…と、メリハリを付けて弾きましょう。
左手の連打とコントラスト(B:15~22小節目)
15小節目からは、Bのパートです。
Aのモチーフと対照的に、ここの右手のメロディは3度の和音によるレガートです。
しかし、左の伴奏形に連打があることで、躍動感があります。
1拍目の5の指で弾くドの音はしっかり当てて、その後のオクターブ上のドの音の連打は鍵盤の近くでなるべく軽く弾きましょう。
弾き方のコツは、ブルグミュラーの9曲目「狩り」の中の「右手におけるすばやいスタッカートのコツ」の項目と同様です。
「スタッカートは手首のスナップを利かせる」のが基本でしたが、この曲にあるようなすばやい動きには適していません。
動きの速いスタッカートを演奏する際は、指先ではじくように、指先を鍵盤の手前に引くようにして弾くのがポイントです。
また、同じ音を続けて演奏するときは、指換えを行うのもポイントのひとつです。(この曲では1・2・1・2・1の指で交互に演奏します)
慣れれば指替えを行った方が、テンポの速い曲でもスムーズに同じ音を連打することができます。
指の入れ替えによる同音連打が自然にできるようになるまで繰り返し練習しましょう。
19・20小節目の伴奏形はレガートになりますので、それまでの連打の伴奏形と対照的に表現してほしいところ。
ベースラインが1拍目と3拍目に現れているので、続くA部分の伴奏形「強(休符)弱」を予感させるように弾きたいですね。
主和音の上で最後まで連打のモチーフを展開(Coda:31~35小節目)
31小節目からは、Codaに突入です。
左手の主和音(ファラド)の上で、右手は十六分音符連打のモチーフを主和音の転回形で繰り返し、cresc.しながら上昇していきます。
最後は左手もさらに1オクターブ下がり、4オクターブまで広がってフィニッシュ。
終わりの八分休符にフェルマータが付いていますよ。長めに曲の余韻を味わいましょう。
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