読譜力・譜読み

読譜力アップのコツは?譜読みの練習方法まとめ【ピアノにも対応】

読譜力アップのイメージ画像

音楽で上達するために欠かせない「読譜力」・・・

譜読みの力を鍛えることが重要なのはわかっても、いざやろうと思うとどのように練習したらいいのかわからないものです。

そこでこのページでは譜読みのスピードをアップさせるためのコツについて、そもそも読譜力とはどのような要素から成り立っているのか?という基本的なところからトレーニング方法まで、詳しく解説していきます!

そもそも読譜力とは?譜読みの構成要素を知ろう

読譜力をアップしたい!譜読みを速くしたい!と思ったら、そもそも「楽譜を読む」という行為がどのような要素から成り立っているのかを知っておく必要があります。

以下は、読譜力を構成する要素をいくつか並べたものです。

もちろん、読譜力を構成する要素がこれですべてというわけではありませんが、譜読みのために特に重要なものをピックアップしています。

  • 楽譜の縦軸=音の高さ を読む力
  • 楽譜の横軸=音の長さ・時間経過 を読む力
  • 音をかたまりで捉える力
  • 音楽記号を見て体の動きへと変換する力

楽譜の縦軸=音の高さ を読む力

楽譜には、音符が書かれます。そして、音符の丸い玉の部分は、五線の上の方に書かれるほど高い音であることを、下の方に書かれるほど低音であることを表します。

つまり、五線の縦軸は、「音の高さ」を表しているのです。

楽譜を読むためには、音の高さと五線の位置関係を知っておくことが大前提です。

楽譜の横軸=音の長さ・時間経過 を読む力

楽譜は、左から右へと時間が流れています。つまり、楽譜の横軸は「時間経過」を表しているのです。

そして、音の長さは、音符や休符の種類によって表されます。拍子やリズムなども、この「音の長さ」に関係する概念です。

音をかたまりで捉える力

また、それぞれの音を単体でバラバラに捉えるのではなく、音をフレーズや和音などのかたまりで捉える力も必要です。

たとえば、音の代わりに文字の場合で考えてみましょう。「あかいかお」という文字が並んでいる場合をイメージしてみてください。

この時、「あ」「か」「い」「か」「お」と一文字ずつ読めただけでは、意味が通じません。

「あかい」で形容詞の「赤い」、「かお」で名詞の「顔」と、まとまりによって言葉の意味が生まれます。

これと同じように、音のもまとまり(フレーズや和音)として読み取ることで、音楽的な表現が生まれるのです。

音楽記号を見て体の動きへと変換する力

そして、読譜力に関して意外と見逃しやすいのが、音楽記号を体の動きへと変換する力です。

楽譜は、ただ頭の中で読むだけでは音を出すことはできません。

楽譜の音楽記号を読み取って、体の動きへと変換し、楽器や発声器官に伝えることによって、はじめて音が生まれるのです。

そして、楽譜を読んで反射的に体の動きへと変換するためには、たゆまぬ反復練習が必要になります。

読譜力アップのコツは?譜読みのポイントを確認

以上のような譜読みの構成要素を踏まえた上で、続いては読譜力アップのためのポイントについて確認しておきましょう。

  • 基本的な音楽記号を理解していること
  • 音名(ドレミ~)をスムーズに言えること
  • 五線上の位置で音の高さを反射的に把握できること
  • なるべく手元を見ずに演奏する練習をすること

以上のようなポイントをおさえて練習すれば、読譜力を効果的に高めることができます。

というわけで、ここからは、譜読みの力を高めるための各チェックポイントについて、詳しく見ていきましょう!

音楽記号への理解は譜読みの大前提

読譜力アップの方法うんぬんについて知る前に、大前提を確認しておく必要があります。

それは、「音楽記号をきちんと理解できているかどうか」です。

読譜力をアップするためのトレーニングに挑もうと思っても、そもそも音符や音部記号などの「音楽記号」を理解していなければ、簡単な譜読みすらままなりません。

音楽記号に出会ったら都度確認すればいいや、という考えでは甘いです。

少なくとも、音楽記号のうち基本的なものについては、何も見なくても意味が分かるくらいに理解できておく必要があります。

以下に示すような基本的なポイントについては、調べなくても意味が分かるくらいまで、事前に理解を深めておきましょう。

五線と音符の位置関係

音符は、五線上の上下の書かれる位置によって、「音の高さ」を表します。

五線と音符が表す音の高さの位置関係の理解に不安がある方は、以下のページをご参照ください。

楽譜とは?イメージ画像
楽譜とは?楽譜の構成要素(=五線・音楽記号)と五線の2つのルール 【 楽譜 】 楽譜とは、音楽(=様々な高さの音の組合せ)を、記号によって視覚的に記録したもののことです。 楽譜は、作曲家が自分の想...

音部記号

音符は、単体で五線上に書かれるだけでは、どの音の高さを表すかがわかりません。

ト音記号やヘ音記号などの「音部記号」で、音の高さの基準を示すことによって、はじめて音符の音の高さが決まります。

音部記号について、詳しくは以下のページをご参照ください。

音部記号の意味と役割・イメージ画像
音部記号とは?意味と種類は?ト音記号・ヘ音記号・ハ音記号の役割 【 音部記号 】 音部記号とは、五線と音の高さの関係を示す音楽記号のことです。 音部記号には、高音部の「ソ」の位置を示す「ト音記号...

調号や臨時記号

音楽では、「ド レ ミ ファ ソ ラ シ ド」以外の音も存在します。

それは、♯や♭などの「変化記号」と呼ばれる記号がついたもので、「ド レ ミ ファ ソ ラ シ」の音の高さが変化します。

楽曲の調に従って、曲を通してある音の高さが変化することを示すものを「調号」、曲のっ途中で音の高さを一時的に変化させるもののことを「臨時記号」と言います。

調号と臨時記号について、詳しくは以下のページをご参照ください。

調号と臨時記号のイメージ画像
調号とは?臨時記号とは?意味・違い・五線上の位置・範囲を理解する ♯や♭などの変化記号記号は「変化記号」と呼ばれます。そして、変化記号は「調号」と「臨時記号」に分かれます。 【 調号 】 調号とは...

音符と休符の種類

音楽では、音がある状態と無い状態とが組み合わさって、ひとつの楽曲が創られます。

記号で言えば、音がある状態を表すのは「音符」、音がない状態を表すのが「休符」です。

音符と休符は、それぞれいくつかの種類があり、それぞれに表す音(もしくは休止)の長さが異なります。

音符と休符の長さについて、詳しくは以下のページをご参照ください。

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音符と休符の種類と長さは?単純音符と単純休符を一覧で確認する 全音符?四分音符?二分休符?八分休符?音符や休符の種類と長さについて詳しく解説します! 音楽では、長さの違う音または無音の時間(...
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拍・拍子・リズム・テンポ

音の長さを理解するためには、音符や休符の長さを理解するだけでは十分ではありません。

「拍」「拍子」「リズム」「テンポ」といった概念をきちんと理解しておくことで、はじめて音楽的な演奏が可能になります。

これらの概念をきちんと理解することはむずかしいですが、以下のページで詳しく解説しているのでぜひご参照ください。

拍・拍子・リズム・テンポのイメージ画像
拍・テンポ・拍子・リズムとは?意味と違いをわかりやすく解説! 拍とは、継続的かつ一定間隔の複数の音(=音楽)を聴いているときに、聴き手が感じる音楽の鼓動のこと。 拍子とは、音楽の強弱の周期を表...

小節と小節線

楽譜には、一定間隔ごとに縦線が描かれていると思います。

この縦線は、「拍子」の区切りを明確に表すための線であり、「小節線」と呼ばれます。

小節線の意義や種類については、以下のページをご参照ください。

小節線の種類のイメージ画像
小節線とは?小節線の種類(複縦線・終止線・反復記号)について 小節線とは、五線上の拍子ごとの区切りを明確にする縦線のこと。 複縦線とは、2本の縦線から成る小節線の一種で、楽曲の大きな転換点を表...

ドレミ~をスムーズに言えますか?

音楽記号が理解できていることと同様に重要なことがあります。

それは、「音名」をスムーズに言えるかどうかです。

音名とは、いわゆる「ドレミファソラシド」のことです。(これはイタリア語で、日本語ドイツ語など他の呼び方もありますが)

音名について尋ねると、「ドレミは分かります!」と多くの方は言います。

しかし、「ドレミファソラシド…」と下から上へ(上行形)は言えても、その逆の「ドシラソファミレド…」と上から下へ(下行形)言うとなると、意外とスムーズに言えない人も少なくありません。

この「音名を言える」ということ、楽譜を読む上ではとても大事なことです。

なぜなら、音名とその音の高さがイメージできていなければ楽譜を見ても音楽がイメージできないからです。

そのため、音名を言う場合はただ言うだけでなくて、音程をつけて歌うのがいいですね。音のイメージを作ることが大切です。

ドから始めるだけでなく、途中の音から始めてもずっと続けて言えるかどうかも試してみましょう。

考えることなくスムーズに口から出るようになったら、今度は1個ずつ飛ばして、言ってみてください。

「ドミソシレファラドミ…」「レファラドミソシレファ…」(上行形)

「ドラファレシソミド…」「シソミドラファレシ…」(下行形)

こちらもぜひ練習してみましょう。後述しますが、譜読みをする上でとても大切なトレーニングなのです。

この練習、1個飛ばしの音というのは、3度音程ということを表します。

3度音程の積み重ねで和音ができるので、3度音程にすぐに反応できると、その後の読譜にも役立ちますよ。

音程/度数の数え方イメージ画像
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音の高さを数えるのではなく、五線上の位置で反応する

音を読むのに時間がかかるのは、自分のわかる音符の位置(たとえばドの位置)から、書かれている音符の位置まで1つずつ順番に数えているからです。

しかしながら、譜読みを速くできるようになるには、五線譜に書かれている音符の位置を見て、数えなくても反応できるようにする必要があります。

音符の代わりに、文字の場合で考えてみましょう。

『あ』という字を見た時、「横棒があって、縦に棒があって…『あ』だ」というふうに考えて判断するわけではないですよね。形を見て、間髪入れずに反応していると思います。

それと同じことで、音符の位置を集数えるのではなく、五線譜の位置から瞬時に読み取れるようにしましょう。

じつは、そこで先ほど練習した音名を1個飛ばしで読む練習が役に立ちます。

ト音記号の場合、中央ドの位置から上へ、第1線はミ、第2線はソ、第3線はシ、第4線はレ、第5線はファ…となります。

ト音記号の上行形(線)

線の上の音に反応できるようになったら、間の音も同じように、レ・ファ・ラ・ド・ミ・ソ…と反応できるようにしましょう。

ト音記号の上行形(間)

ヘ音記号の場合は、中央ドの位置から下へ、第5線がラ、第4線がファ、第3線がレ、第2線がシ、第1線がソ…となりますね。

ヘ音記号の下行形(線)

間の音も同じように、上から下へ、シ・ソ・ミ・ド・ラ・ファ…と位置を確認しながら言ってみましょう。

ヘ音記号の下行形(間)

もちろん、曲がむずかしくなればもっと上下に幅の広い音も登場しますが、まずは上で紹介した基本となる音の位置には瞬時に反応できるようにしておきましょう!

譜読みのコツは、なるべく手元を見ないこと!?

譜読みは、楽譜を読んで音を読み取れるだけでは十分ではありません。

楽譜を読んで音を読み取った上で、反射的に体の必要な部分を動かして楽器や発声器官から音を出すことが必要になります。

つまり、譜読みの訓練とは、楽譜を読んで体で反応し音を出すところまでがセットなのです。

そして、楽譜を読んで演奏をする際には、手元ばかり見ていては楽譜を読むことができず、スムーズに音を出すことができません。

したがって、読譜力を上げるためのコツは、楽譜を見ながら、「なるべく手元を見ずに演奏する」練習を繰り返すことです

これは、初心者の方にとってはとてもむずしいことでもあります。

ですが、手元を見ずに演奏する練習をきちんとしているかどうかで、長期的には譜読みのスピードや曲を習得するスピードに大きな差がついてしまいます。

ぜひ目先の曲の習得だけにとらわれずに、長期的な視点で、手元を見ずに演奏する練習を繰り返すようにしましょう。

ピアノの譜読みのコツは「鍵盤感覚」にあった

先ほど、読譜力をアップするためには、楽譜を見ながらなるべく手元を見ずに演奏する練習をしましょう、と述べました。

この手元を見ずに演奏する練習が特にむずかしいのは、ピアノなどの鍵盤楽器でしょう。

ピアノには鍵盤がたくさんあり、黒鍵も含めると不規則な配置をしているため、ついつい「楽譜を読んで覚える→手元を見ながら演奏する」という練習をしてしまいがちです。

しかしながら、ピアノなどの鍵盤楽器の演奏には、目ではなく指の感覚で鍵盤の一致をとらえる「鍵盤感覚」を養うことがが何よりも大切になってきます。

鍵盤感覚が育たないと、いつまでたっても楽譜を見ながら演奏することができるようになりません。

また、鍵盤感覚が育っていないと、演奏の中でミスした時に持ち直すことがむずかしくなります。

逆に言えば、鍵盤感覚が育っている場合、演奏の途中でミスタッチをしてしまったとしても、手の感覚を頼りにそのまま続けて演奏することができるのです。

ですから、ピアノを習っている人こそ、この「手元をなるべく見ずに演奏する」という練習をなるべく早い段階からやっていただきたいと切に願っています。

最初はなかなか弾けるようにならずやきもきしてしまうかもしれません。

しかしながら、ある程度の期間練習して鍵盤感覚が育ってくると、譜読みのスピードもどんどん上がってきます。

すると、鍵盤感覚が育っていない場合と比べて一曲一曲をモノにするスピードが段違いに速くなるため、長期的にはたくさんの曲をマスターしていく土台となります。

もちろん、ピアノを弾く時に手元を全く見てはいけない、というわけではありません。

音が飛んだり、腕を交差させたりする場合など、鍵盤を見ながら出ないと最初は上手く弾けない場合もあるからです。

ただ、繰り返しになりますが、ピアノなどの鍵盤楽器を練習する方は、なるべく手元を見ずに演奏する練習をすることを強くおすすめします。

ぜひピアノ学習者の方は「鍵盤感覚」を養うことで、長期的な視点で読譜力を高めていくようにしましょう!

ピアノの譜読みは大譜表に慣れることも必要

ピアノは音域が広いので、大譜表(ト音記号の譜表とヘ音記号の譜表という二段の組み合わせ)で書かれるというのが大前提です。

ですから、読譜力を高めるためには、最初から大譜表での譜読みに慣れておくほうがいいですね。

まずは、中央ドから上下2オクターブ分、つまり4オクターブのドの位置を把握して、その位置がどの鍵盤に当たるのか、ダイレクトに反応できるようにします。

4オクターブのドの位置

それができたら、それぞれのドとドの間のソの位置にも反応できるようにしましょう。

大譜表のすべての位置のドとソにすぐに反応できるようになったら、それだけでもずいぶん違いますよ。

そうして、徐々に反応できる範囲を増やしていきましょう。

読譜力アップにはアプリも効果的!

読譜力をアップするための練習は、楽譜を読みながら楽器を弾いたり歌ったりするだけに限りません。

最近では、Webやアプリ、動画など様々なコンテンツが充実してきているからです。

その中でもおすすめなのは、譜読みの練習用のアプリです。

私はAndroidのスマホを使っているため、「Rush Music!」というアプリを使用していますが、ゲーム感覚で五線上の音の高さを反復して覚えることができるので、とても重宝しています。

名称:Rush!Music - 譜読みの練習 音符をマスター
(https://play.google.com/store/apps/details?id=com.ryapps.rushmusic)
対応OS:Android
無料:アプリ内購入あり
――「ソルフェージュのアプリのおすすめは?種類は?iOS・Android別に」より

もちろん、iOSにも譜読みの練習アプリはそろっています。例えば、以下のようなアプリを使ってみてはいかがでしょうか?

名称:楽譜を読む練習アプリ 五線譜のピアノや音楽譜読みトレーニング
(https://apps.apple.com/jp/app/id1081457060)
対応OS:iOS
価格:無料(App内購入 360円で、広告非表示のほか C Major=ハ長調 以外のトレーニングが可能)
――「ソルフェージュのアプリのおすすめは?種類は?iOS・Android別に」より

もちろん、何事でもそうですが、譜読みアプリはほんのちょっとやっただけでは読譜力はあまり上がりません。

しかしながら、何か月か継続してやれば、必ず読譜力は高まります。

ぜひスキマ時間などを有効活用して、アプリで読譜力アップにトライしてみてください。

読譜力を高める音楽の基礎トレーニングにも取り組もう

また、読譜力を高めるためには、「ソルフェージュ」というトレーニングも欠かすことができません。

ソルフェージュとは、演奏された音を聴き取って楽譜に書き取ったり、楽譜を見ながらドレミで歌ったりするトレーニングのことです。

音楽とソルフェージュの関係は、スポーツとランニング・筋トレのような関係で、ソルフェージュは基礎トレーニングに当たります。

ソルフェージュは特に音感や読譜力アップに効果的なトレーニングで、音楽を長期的にやるのであればぜひ取り組んでおきたいところです。

ソルフェージュは音楽教室などで習うことができるので、音楽を本格的に続けていこうと思っている方はぜひ試してみてください!

ソルフェージュとは?イメージ画像
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