このページは、楽譜の読み方に関する論点をまとめたものです。
楽譜が読めるようになるためには、音の高さの種類や音符・ト音記号などの音楽記号、拍子など、様々なことを理解しておく必要があります。
そこで、このページでは、楽譜を読む上で、どのようなことを理解しておく必要があるのか、楽譜の読み方の全体像をまとめました。
楽譜の読み方の全体像になんとなく目を通していただいた上で、理解できていない・気になるテーマのページがあればぜひクリックして先に進んでみてください。
各テーマについて、初学者の方でも理解できるようにできるだけ詳しく&わかりやすく解説しています。
これらの「楽譜の読み方」シリーズが、あなたの音楽学習の一助となれば、作成者としてこの上ない幸いです♪
楽譜は五線と音楽記号からできている
まず、楽譜はどのようなパーツで構成されているのか、全体像を見ておきましょう!
楽譜は、大きく分けて「五線」と「音楽記号」からできています。
画像の、上から順に5本並んだ横線のことを、「五線」と呼びます。
そして、五線の上に書かれた音部記号や音符、拍子記号などのことを総称して「音楽記号」と呼びます。
この五線と音楽記号に関して、重要な2つの原則があります。
それは五線の縦軸が「音の高さ」、五線の横軸が「時間経過」(=音の長さ)を表しているということです。
このような楽譜の最も基本的なルールについて、詳しくは以下のページをご覧ください♪
楽譜の縦軸が「音の高さ」、楽譜の横軸が「時間経過」という大原則をおさえた上で、続いては「音の高さ」についてさらに細かく見ていきましょう!
楽譜上での「音の高さ」の表し方を理解する
音楽は、高さの違う複数の音を組み合わせてつくられるものです。
このような様々な高さの音は、どのように楽譜に記されるのでしょうか?
音の高さを理解するためのポイントを確認していきましょう!
音の高さは等間隔に12種類ある?
まず、音の高さに関して最初に必ず理解しておきたいのが、音の高さの種類についてです。
音楽に用いられる音の高さには、「ドレミファソラシ」だけでなく、「ファ♯」や「シ♭」などの音もあります。
「ドレミファソラシ」の7種類の音が変化する、と考えるよりは、「①ド ②ド♯(レ♭) ③レ ④レ♯(ミ♭) ⑤ミ ⑥ファ ⑦ファ♯(ソ♭) ⑧ソ ⑨ソ♯(ラ♭) ⑩ラ ⑪ラ♯(シ♭) ⑫シ」の12種類の音がある、と考えた方がその他のポイントもスムーズに理解できます。
そして、直感には反するかもしれませんが、ミとファの間隔とレ♯とミの間隔は等しくなるように定められています。
このような「ド ド♯(レ♭) レ レ♯(ミ♭) ミ ファ ファ♯(ソ♭) ソ ソ♯(ラ♭) ラ ラ♯(シ♭) シ」の12種類の音を等間隔に並べる音の配置の仕方を「平均律」と呼びます。
このような考え方を理解しておくことは、楽譜上での音の高さの表し方や調などの概念を理解するためにも不可欠です。
12種類の音の高さについて、詳しくは以下のページをご覧ください♪
音の高さと五線の関係を示す「音部記号」
五線は、ただ五本の線が描かれているだけでは、どの位置に何の音があるのかがわかりません。
そこで、五線上のこの位置はこの高さの音です!と記号で示してあげる必要があるのです。
このような、五線と音の高さの関係を示す記号のことを「音部記号」と言います。
主要な音部記号の例として、「ト音記号」や「ヘ音記号」などがあります。(以下の画像参照)
「ト音記号」や「ヘ音記号」の詳しい意味や使い方については、以下のページをご覧ください♪
♯や♭のつかない基本的な音(=幹音)は楽譜上でどう表す?
上の「音の高さは12種類ある」というテーマの箇所で触れましたが、音の種類には、♯や♭がつかない音と、♯や♭がつく音があります。
そして、♯や♭がつかない音のことを、「幹音」と呼びます。いわゆる「ドレミファソラシ」のことです。
ト音記号の場合の基本的な「ドレミファソラシド」の位置は、以下の画像のような並びになります。
一方で、ヘ音記号の場合の「ドレミファソラシド」の位置は、以下の画像のように表されます。
幹音の高さと五線との関係について、詳しくは以下のページをご覧ください♪
♯や♭は音の高さ上下させる「変化記号」
先に♯や♭がつかない「幹音」の五線上での位置について簡単に確認しましたが、♯や♭がついた音の高さについても理解を深めておきましょう。
♯(シャープ)は音の高さを「半音上げる」、♭(フラット)は音の高さを「半音下げる」ことを表します。
※半音とは、12種類の音のうちとなり合う音同士の距離のことです。
また、♯や♭で高さが上下した音を元に戻す♮(ナチュラル)という記号もあります。
これらの記号のことを総称して、「変化記号」と呼びます。また、変化記号のついた音のことを、幹音に対して「派生音」と呼びます。
そして、「ドレミファソラシ」以外の5種類の音は、変化記号(♯や♭)がつくことではじめて楽譜上に表すことができるのです。
♯や♭の役割について、詳しくは以下のページをご覧ください♪
♯や♭には「調号」と「臨時記号」の2種類がある
音の高さを上下させる変化記号(=♯や♭など)には、「調号」と呼ばれるものと、「臨時記号」と呼ばれるものとがあります。
そして、「調号」と「臨時記号」は役割が異なります。
調号は、それぞれの楽曲の「調」の音階に含まれる音に♯や♭がつく場合に、都度♯や♭を書き込むのではなく最初にそれらの音はいつも変化しますよ!と示したものです。
調号は、以下の画像のように音部記号の横に記されます。
一方で、臨時記号とは、幹音(=♯や♭のつかない音)の高さを一時的に上下させたいときに音符の左側に書かれる記号のことです。以下の画像のように記されます。
調号は、途中で調が変化して新たな調号が示されない限りは楽曲の最後まで効果が続きます。
一方で、臨時記号は、基本的にはその小節内でのみ効果が持続します。
調号と臨時記号の詳しい意味や違いについては、以下のページをご覧ください。
音の高さに関する大まかな解説は以上です。
続いては、音の長さについて理解を深めていきましょう!
楽譜上での「時間経過」(=音の長さ)の表し方を理解する
前半は五線の縦軸=音の高さについてのお話でした。
そして後半では、五線の横軸=時間経過(音の長さ)について、ポイントごとに見ていきましょう!
音符と休符の種類を知ろう
音楽は、長さの違う音と休止(=音のない時間)=が組み合わせてできています。
そして、音の長さは「音符」、休止の長さは「休符」という記号でそれぞれ表されます。
音の長さは、音符の形によって表されます。各音符の長さの関係は、以下のようになります。
(左側の記号は)上から、「全音符」「二分音符」「四分音符」「八分音符」という名称の音符です。
そして、このような全音符の音の長さを半分ずつ割っていった長さの音符のことを、「単純音符」と言います。
休符も同様で、休止の長さは休符の形によって表されます。書く休符の休止の長さの関係は、以下のようになります。
(左側の記号は)上から、「全休符」「二分休符」「四分休符」「八分休符」という名称です。
そして、このような全休符の音の長さを半分ずつ割っていった長さの音符のことを、「単純休符」と言います。
音符と休符の種類や役割について、詳細は以下のページをご覧ください♪
音符・休符の長さを1.5倍にする「符点」について
楽譜上の音符や休符の右側に、「・」のような丸い点がつくことがあります。以下の画像のようなイメージです。
このような、音符の右側につけられる点は「符点」(ふてん)と呼ばれます。
符点がつくことで、音符や休符の長さは1.5倍になります。
また、符点がついた音符は、「符点音符」と呼ばれます。
符点の役割や符点音符・休符の種類について、詳しくは以下のページをご覧ください♪
単純音符や符点音符にないリズムを表す「連符」について
単純音符(=全音符や四分音符などの基本的な音符)や符点音符では表すことのできないリズムがあります。
たとえば、二分音符を半分に分けたい場合は、2つの四分音符で表します。
ところが、二分音符や四分音符を、3つに分割した音を表現する音符はありません。
このような単純音符や符点音符では表すことのできないリズムや音の長さは、「連符」という音符で表します。
連符は、以下のようにいくつかの音符に数字をつけて記されます。
連符の役割や種類について、詳しくは以下のページをご覧ください♪
音楽の拍・拍子・リズム・テンポを理解する
音楽は、複数の音や休止が連続して流れることで成立します。
一定時間音楽を耳にしていると感じられる音楽の鼓動のことを、「拍」と言います。以下の画像のようなイメージです。
そして、音楽が流れ続けると、拍に強弱が感じられます。このような強弱の周期のことを「拍子」と言います。
拍子は、音符の種類+何拍ごとに強拍(=相対的に強く感じられる拍)が来るか で表されます。
たとえば、四分音符3つ分ごとに強拍が来る場合、その曲の拍子は「4分の3拍子」と表現されます。
拍子は、音部記号の横に〇/〇という分数のような数字で書き表します。
続いて、音楽におけるリズムとは、様々な長さの音と休止の組合せのことです。
リズムが違えば音楽も全然違うものになるため、リズムは音楽に欠かせない要素です。
たとえば、同じ「ドミソ」でも、四分音符で「ドーミーソー」と表現されるのと、休符を交えて「ドッミッソー」と表現されるのとでは、同じ音の高さであっても全然違う音楽に聞こえます。
最後に、テンポとは、音楽の速さのことです。
テンポは拍から次の拍までの時間の長さ次第で変化し、拍と拍の間隔が短くなるほど、テンポは速くなります。
テンポを数字で表す場合には、BPM(=1分間当たりの拍の数)という単位が用いられます。
拍・拍子・リズム・テンポについて、詳しくは以下のページをご覧ください♪
楽譜上ででの拍子の区切りを明確にする「小節線」について
良い演奏をするためには、楽曲の拍子を感じ表現することが欠かせません。
そして、楽譜上の拍子の切れ目をわかりやすく示す役割を果たすのが、「小節線」です。以下の画像のような線です。
小節線には、拍子の区切りを示す基本的な小節線のほかに、楽曲の転換点を表す「複縦線」や、楽曲の終わりを表す「終止線」などがあります。
小節線の役割や種類について、詳しくは以下のページをご覧ください♪
拍子の枠内に収まらないタイ・アウフタクト
全ての楽譜が拍子の枠内に収まるわけではありません。
たとえば、ある小節から次の小節へと同じ音が続いてまたがるときには、「タイ」とう下向きの弧 ◡ で音符と音符をつなぎます。
また、たいていの場合楽曲は強拍で始まりますが、中には弱拍で始まるものもあります。
このような弱拍で始まるものは「アウフタクト」(弱起)と呼ばれ、1小節目が通常の拍数より少ない数の拍数になります。
タイやアウフタクトの詳しい意味については、以下のページをご覧ください♪
楽譜を見ながら演奏できるようになるために
楽譜の読み方の基本的なトピックについては以上になります。
ぜひ詳しく知りたいテーマのページを読んで、楽譜の読み方に対する理解を深めていってください♪
ところで、楽譜の読み方を「理解」するということは、やっと音楽のスタート地点に立ったにすぎません。
次は、楽譜を読んで実際に音を鳴らしてみてください。
そして、音楽を続けていくのであれば、いずれは楽譜を見ながら演奏できるようになっていく必要があるでしょう。
楽譜を読みながら演奏するためには、楽譜の読み方を理解しているだけでは十分ではありません。
楽譜と音を感覚として結びつけるためのトレーニングであるソルフェージュをしたり、楽譜を見ながら手元を見ずに楽器を演奏したり、楽譜と演奏を結びつける地道なトレーニングが必要不可欠です。
ぜひ、楽譜を見ながら実際に手や口を動かしてみてください。
そして、楽譜についてわからないことがあれば、このサイトや楽典などの解説を読んでください。
本当に使える「技能」というものは、理論と実践とを行ったり来たりすることで獲得できるものだからです。
このページがあなたの音楽学習の一助となることが、私の心からの願いです♪
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