コンソレーション(なぐさめ)

ブルグミュラー「コンソレーション」解説!解釈・弾き方のコツ・練習方法

ブルグミュラー「コンソレーション」楽曲解説イメージ画像

このページは、ブルグミュラー「コンソレーション」(なぐさめ)についての楽曲解説です。

「コンソレーション」の弾き方のコツや練習方法を確認したうえで、曲の解釈のポイントについても見ていきましょう!

ブルグミュラー「コンソレーション」(なぐさめ)の概要を解説

「コンソレーション」は、ブルグミュラー25の練習曲の13番目に掲載されている曲です。

タイトルの「Consolation」、カタカナで表すならば、英語では「コンソレーション」ですが、フランス語では「コンソラスィヨン」になります。

同じタイトルで、リストのピアノ曲「コンソレーション第3番」が有名ですね。

日本語で「なぐさめ」と訳されている場合もあります。

ブルグミュラーの12曲目は「別れ」でしたが、13曲目に「コンソレーション」が続くのは、明らかに前曲「別れ」からの流れを意識していると思います。

拍子は4分の4拍子、調はハ長調です。

前曲「別れ」はイ短調で、平行調(同じ調号の長調と短調の関係)に当たることから、調性からも「別れ」との関係性がうかがえます。

テンポ表示は「Allegro moderato」。「別れ」と同じく「Allegro」が付いていますが、続く楽語は「moderato」です。

「moderato」には「節制のある」「適度な」といった意味があります。前曲での激しい感情を落ち着かせて、節度を保って、ということなのでしょう。

楽曲の形式は、イントロ-A-A-B-B-Codaの二部形式です。

参考動画を以下に掲載しておきますので、ぜひ音でイメージをつかみたい方はご参照ください。

「コンソレーション」の弾き方のコツ・練習方法は?

「コンソレーション」の概要を確認したところで、ここからは弾き方のコツを練習方法を交えて解説していきます!

「dolce lusingando」って?(イントロ:1~7小節目)

「コンソレーション」の1~7小節目は、イントロの部分です。

最初に「dolce lusingando」と書かれています。

「dolce」(甘く、やわらかく)はよく使われる楽語ですが、「lusingando」はあまり見ることのない楽語ですね。

調べると「媚びるように」という意味が出てきて、あまりこの曲にはそぐわない?

動詞の「lusingare」には、「へつらう」「おべっかを言う」「甘言で誘惑する」「はかない希望を抱かせる」といった意味があるようです。

「はかない希望を抱かせる」の意味がこの曲には近いのではないでしょうか。「もう大丈夫」と自分に言い聞かせているような…。

主和音ではなく、属七の和音で始まるのが印象的です。

右手はソの音を保持しながら、レミレミレミレ、ドレドレドレド…と、4545454、3434343…という指使いを繰り返し、弱いとされる4や5の指を多用しています。

練習曲として弱い指の独立性を訓練する意図もあると思いますが、それ以上に、弱々しさ、傷ついている気持ちを表現するのに、この指使いを生かしているような気もします。

5小節目からは少しメロディラインの動きに変化が出て、6小節目では音の跳躍もあるので、ここがイントロの中のピークになりますね。

四分音符のメロディラインを聴かせる(A:8~15小節目/16~23小節目)

8小節目からは、A-B-AのAの部分に入ります。ここから、左手は高音部譜表です。

右手はメロディで四分音符を保持しながら、後打ちで八分音符のソの音が入ります。

まず、四分音符のメロディラインだけをレガートに弾けるか、確認してみましょう。棒弾きにならないように、穏やかな中にも表情をつけて弾いてくださいね。

その表情を壊さないように、寄り添うように、後打ちのソを入れましょう。1の指を使うので、無防備に弾いてしまうと音が強く出過ぎてしまいがち。メロディラインを打ち消していないか、よく聴きながら弾きましょう。

今度は左手でも(B:24~31小節目/32~38小節目)

24小節目からは、Bのパートに入ります。

四分音符で保持するメロディ、八分音符で入る後打ちのソの音の動きが、ここでは左手に現れます。

右手の四分音符のメロディのハモりとして出てくるので、両手で四分音符のメロディだけ一緒に弾いてみて、どのような響きになるか、確認してみてくださいね。

後半の4小節では、後打ちのソの音は右手に現れます。左右の動きの入れ替わりがスムーズに行くようにしましょう。p → cresc. → fの変化も忘れずに。

上を向いて歩こう!(Coda:39~42小節目)

39小節目からは、Codaのパートです。

同じメロディ(&和音)を、39小節目はmfで、40小節目はpで繰り返します。エコー効果ですね。

そして、41小節目ではらせんを描くように右手が上昇。最後の42小節目では左手がオクターブ下のバス譜表のドに。

これまで比較的、右手と左手の音域が近かったこの曲の中で、右手のドと左手のドの音、4オクターブの開きです。視野の広がり、顔を上げて前に進もうという意思表示にも感じられます。

「dimin. e poco riten.」そして、「p」で終わっているので、音が大きくなってしまわないように、優しくそっと指を乗せてくださいね。

学習のポイント

テクニック的には、音を保持しながらメロディラインを聴かせられるか、右手の指の独立性を保てるか、がポイントとなります。

また、各フレーズ(まとまり)の終わりには「dimin. rall.」あるいは「dimin. e poco riten.」の表示があります。

ともすれば気持ちがくじけて、歩みが止まってしまいそうな…。

それを奮い立たせるように、フレーズでの始まりには「in tempo」の表示が何度も出てきますね。

なお、riten.=ritenuto(リテヌート)それまでより遅く、です。
※一音一音を長めに演奏してブレーキをかけるようなイメージ

一方で、rit.(リット)はritardando(リダルダンド)の略で「だんだん遅く」を表します。

「rall.」と「riten.」は異なるという事に注意して、弾き分けるようにしましょう。

「コンソレーション」の解釈は?

楽曲の概要の部分でも触れましたが、この曲はブルグミュラー25の練習曲の前の曲「別れ」からの「なぐさめ」(コンソレーション)というひとつの流れになっていると考えられます。

そんな「なぐさめ」は、前曲「別れ」と対照的な仕上がりになっています。

「別れ」の三連符(1拍につき3つの音)に対し、この曲は八分音符(1拍につき2つの音)です。

そして、「別れ」での左手の四分音符(1小節に4つの音)に対し、この曲では全音符(1小節に1つの音)になっています。

さらに、2度の動きをメインとした、狭い音域を行き来するメロディライン。ほとんど転調がなく、ほぼ属七の和音と主和音による和音構成。

そのような動きの少なさ、シンプルさが穏やかな印象となっています。

「別れ」との対比や連続性を意識しながら演奏すると、「なぐさめ」の情景をより効果的に伝えることができるでしょう。

楽譜の版によっては、2回目のAやBを楽譜に記譜するのではなく、リピート(繰り返し)記号で表記しているものもあります。

こうなると、ちょっと印象が変わりますね。リピート(繰り返し)記号だと省略していいようにも受け取れてしまうので。

この曲の場合は省略せずに、きちんと繰り返しましょう。「別れ」の気持ちを整理するためには、それだけの長さが必要なんです、きっと。

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