保育士試験や教員採用試験などで課せられる課題の1つに、「弾き歌い」があります。
「弾き歌い」とは、ピアノなどの楽器で伴奏を弾きながら歌うことです。
ピアノを弾くだけならむずかしいレベルの曲が弾けるのに、いざ弾きながら歌うとなると簡単な曲でもできなくなってしまう…という人も少なくありません。
このページでは、そんな「弾き歌い」のコツや練習方法について詳しく解説していきます!
弾き歌いとは?
「弾き歌い」とは、楽器を使って自分で伴奏づけをしながら歌うことです。以下の動画のようなイメージです!
「弾き歌い」は、しばしば「弾き唄い」や「弾き語り」と表現されることもあります。
「弾き歌い」と「弾き語り」の違いについては、万人に共通した明確な解釈はないように思われます。
しかしながら、「弾き語り」は、特にポップスなどの現代楽曲に使われるイメージです。
また、「弾き語り」は、文字通りあるひとりの人が観客に向かって音楽を語りかけている情景が浮かんできます。
一方で、「弾き歌い」という言葉からは、音楽の授業や教員採用試験・保育士試験などがイメージされます。
曲も、「赤とんぼ」「荒城の月」「うみ」「どんぐりころころ」など、伝統的な歌曲が用いられる傾向にあります。
さらに、「弾き歌い」は、演奏者がひとりで歌うだけとは限りません。保育園や小学校など、先生の弾き歌いに合わせて歌ったこともあるのではないでしょうか?
学校での弾き歌いには、生徒がみんなで歌う合唱が伴うこともあるのです。
ところで、「弾き歌い」は、教員採用試験や保育士試験などの、就職試験の課題にもなっています。
特にピアノ演奏に歌をつける場合が多いですが、これがなかなむずかしい。
「弾きながら歌うなんてうまくできないよ~」と、弾き歌いに苦手意識を持つ人も少なくありません。
そこで、ここからは、特にピアノ伴奏を伴う弾き歌いのポイントや練習方法などについて詳しく見ていきましょう。
弾き歌いのポイントは?
まずは、弾き歌いをする時に心に留めておきたい、重要なポイントについてお話しておきたいと思います。
そもそも、弾き歌いの課題では、演奏者にどのようなことが求められているのでしょうか?
弾き歌いのポイントをひと言でまとめると、「歌、伴奏の技術、リズムなど、総合的に豊かな表現ができること」が求められています。
伴奏の技術と言っても、ただ単にむずかしいことができればよいというわけではありません。
いかに歌いやすい伴奏ができるか、という点もまた重要なのです。
そのためには、「テンポが歌にふさわしいかどうか」という点も評価の対象になります。
そして何より、弾き歌いの目的は「子どもや生徒に伝えること」にあります。
したがって、歌詞を正しく、はっきりと発音できているか、というのも大事なポイントです。
そして、何よりも大切なのは「音楽の楽しさ」を伝えることです!
まずは自分自身が音楽を楽しみ、子どもたちをはじめ、他の人にも音楽の魅力を伝えられるような演奏をめざしたいです。
弾き歌いの練習のコツは?弾き歌いの練習方法を理解しよう
ではいよいよ、弾き歌いのコツについて見ていきましょう!
弾き歌いのコツは、何と言っても正しい練習の手順を踏むことです。
弾き歌いがうまくできない、という方は、意外と先にマスターしておくべきことをすっ飛ばして先の段階の練習をしている場合があります。
そのため、弾き歌いを練習する際は、以下の練習方法を意識してみてください。
・先に歌をものにすること
・ピアノの練習の手順を知ること
・自分にあった楽譜を選ぶこと
以上の弾き歌いの練習の手順について、順を追って詳しく見ていきましょう。
まずは歌をしっかりマスターしよう
弾き歌いののコツについてですが、要は「慣れ」ですよ・・・。
・・・なのですが、そう言ってしまっては身も蓋もないので、もう少し細かくチェック事項を述べましょう。
弾き歌いの練習に際して最初に意識したいのは、「歌をしっかり歌えているか」という点です。
実は、多くの人は「この歌、知っているから」と、すぐにピアノの練習のほうに取り掛かってしまいがちです。
しかしながら、弾き歌いの基本はあくまでも「歌」にあります。
扱う歌がどんな歌なのかをきちんと把握してなければ、適切に伴奏をつけることはできません。
試しに歌だけ歌ってみると、意外と歌詞があやふやだったり、思うように声が出ていなかったり・・・意外と歌が理解できていないことがわかるものです。
そこでまずは、楽譜を見ないと歌えない、ということのないように歌を体で覚えましょう。
そして、大きな声ではっきりと自信を持って歌えるようにしましょう。
この「歌を先にしっかりマスターする」ことが、弾き歌いのコツであり、弾き歌いの練習のファーストステップなのです。
ピアノも入れた練習の手順を知ろう
歌をきちんとマスターしたら、いよいよピアノの練習に取り掛かっていきましょう。
弾き歌いのピアノの練習の手順は、以下の通りです。
①右手(歌のメロディ)の練習
②左手(伴奏)の練習
③両手で練習
ここまでは、通常のピアノ曲を弾くときと同じです。
ところが、弾き歌いとなると、ピアノの練習にすぐに両手で弾きながら歌う練習に入る人が多いのです。
・・・が、ちょっと待ってください!
それで何回か練習してできるようであれば問題ないのですが、なかなかできない、という人は、もう少し段階を踏むようにしましょう。
具体的には、以下のようなステップを確認しながら練習します。
④右手(メロディ)だけを弾きながら歌う
⑤左手(伴奏)だけを弾きながら歌う
⑥両手で弾きながら歌う
④右手(メロディ)だけを弾きながら歌う
歌をつける第一段階は、「右手のメロディ部分だけを弾きながら歌うこと」です。
実は、弾き歌いが苦手な人は、右手のみの弾き語りでもきちんとできていないことが少なくありません。
弾くほうに必死になってしまっていつの間にか口があまり動いていないこともあります。
メロディを弾きながら、周りの人にも聞こえるような声で歌う練習をしましょう。
⑤左手(伴奏)だけを弾きながら歌う
第二段階は、「左手で伴奏だけつけながら歌うこと」です。
やってみるとわかると思いますが、実は伴奏だけをつけながら歌うのは、けっこうむずかしいです。
メロディがないので、音程がきちんと取れていないと、安定したピッチで歌うことができません。
この段階で歌が多少不安定な場合でも、④の段階で右手のメロディと合わせてちゃんと歌えているのであれば、多少は大目に見てもいいです。
ただ、この「左手の伴奏だけで歌う」ことがしっかりできれば、たとえば左手がベース+右手がコードといったメロディを弾かないタイプの伴奏でも、弾きながら歌うことができるようになるでしょう。
そのため、この「メロディなしの伴奏だけ演奏しながら歌う練習」は、音程を良くするためにもとても大事な練習なのです。
⑥両手で弾きながら歌う
最終段階です・・・ここでやっと、「両手で弾きながら歌うこと」を実践します。
子どもや生徒に伝わることが第一ですから、ピアノを弾きながらも少し離れたところにいる人にも聞こえる音量で歌うようにしましょう。
ピアノばかり聞こえて歌がほとんど聞こえないというのでは、本末転倒です。
「どうしてもこれ以上大きな声が出ない!」という人もいるかもしれません。
もちろん訓練で声量をアップさせることも可能ですが、急にできることではありません。
期間に余裕がない場合の対策として、まずは口を大きく開け、一音一音はっきりと口を動かしてみてください。
このような基本的な部分を徹底するだけで、声量は同じでも、周りによく聞こえるようになります。
楽譜を見ながら演奏してもいいのですが、楽譜にかじりついているようでは、子どもや生徒の様子を見ることはできません。
子どもや生徒にきちんと意識を向けられるよう、ある程度は暗譜して、楽譜はチラッチラッと確認するぐらいのつもりで弾き歌いにのぞみましょう。
楽譜の選択も重要
弾き歌いの良し悪しを左右するポイントのひとつに、「楽譜選び」があります。
たとえば、保育士試験では童謡2曲が課題曲として出されます。スタンダードな曲が1曲、新しめの曲が1曲、といったパターンが多いですね。
そして、楽譜の指定は特にありません。したがって、どの楽譜を使うか、という選択も重要なのです。
右手の歌のメロディはさすがに変えられないものの、左手の伴奏はいろいろなヴァージョンがあります。
もし練習してみて弾きにくいと感じたら、楽譜を変えてみるというのも一つの方法です。
あるいは、伴奏を自分で作ってしまってもいいんです。
コードネームが記載されていますから、それをもとに和音を押さえるだけでもOK。
あと、自分の歌いやすいキーの楽譜を選べるといいのですが、自分が歌いやすいキーが弾きやすいとは限りません。
したがって、る程度弾きやすくて、かつ自分の歌えるキーに近い調性の楽譜を選べるのが理想でしょう。
一方で、教員採用試験では、歌唱共通教材から1曲選ばれることが多いです。
歌唱共通教材とは、日本で親しまれてきた唱歌や同様、わらべうた等を子どもからお年寄りまで世代を超えて共有できることを目指してつくられた教材です。
初等教育向けには、「うみ」「春がきた」「茶つみ」「もみじ」「こいのぼり」「ふるさと」などの曲が掲載されています。
※詳しくは、文部科学省「小学校学習指導要領(音楽)」のページをご参照ください。
中等教育向けには、「赤とんぼ」「荒城の月」「早春賦」「夏の思い出」「花」「花の街」「浜辺の歌」の7曲が掲載されています。
※詳しくは、文部科学省「中学校学習指導要領(音楽)」のページをご参照ください。
以上のような、課題曲がはじめからわかっている曲に関しては、はやめに準備に取りかかり、余裕をもって練習するようにしましょう!
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